2012年12月20日木曜日

冬の中の色

冬の枯れ色の中にある色はとてもよく目立ちます。 先日、谷保のあたりでとった写真です。

赤い菊。まぶしい。
葉牡丹。緑もきれい。
木の杭に小さな蔦紅葉が。
道端で売られていたラディッシュ。

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来年2月に出る予定の本が、なんともうamazonに出ていたので紹介します。


子ども向けにマーク・ザッカーバーグとFacebookを紹介した本です。版元は「モチモチの木」や「ペネロペ」の岩崎書店さんです。

いつもamazonは、発売日間近でも情報がなかったりしてはらはらするものですが、こんなに早く載せてくれることもあるのですね。amazon.com(アメリカサイト)では、1年以上先に出る本が平気で載っていて、あれはあれで驚きますが(そもそも本の制作プロセスからして違うのだとは思いますが)。

amazonと言えば、先日翻訳者さんとの話で、在庫切れの本のページに「早く入荷してください」という「リクエストボタン」が必要だよね、という話になりました。自分の訳書が「発売日を過ぎてもぜんぜん入荷しない」とか「新聞書評が出て注目されているまさにその時に在庫切れ」とかいう状況にいらいら!ということがままあるのです。

ほかのネット書店に入っていればいいとも言えるのですが、「amazonにないなら買わなくてもいいや」というお客さんを逃しているのではないかと・・。amazonの裏側のことは全く分からないのですが、お客さん側に「早く入荷してくださいボタン」があれば、きっとお客さんが逃げないはず。私も自分の訳書のボタンをこっそり押すと思いますが。

2012年12月4日火曜日

2012年の翻訳ふりかえり

今年ももう残り1カ月。早いですね。

今年もお仕事をいろいろさせていただきましたが、タイミング的に新たに刊行になったものはありませんでした。来年前半には出ると思います。

そんな中、2011年に刊行になった1冊が、早くも文庫化されました。


単行本は白い表紙だったので、またちょっと違ったイメージです。初めての文庫なので、書店でもいろいろ探してわくわくしています。小さい本屋さんにはなかなかないんですけど。

単行本を買うのはちょっと、と言う方もぜひぜひお手にとって頂ければ。

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12月3日は、ノンフィクション翻訳に関係する翻訳者さん、編集者さん、エージェントさんが集まる年に一回の忘年会がありました。 しかかり中だった仕事(出版)を昼間に納品できたので、久しぶりに都会に出かけてきました。

何人もの編集者さん、翻訳者さんとご挨拶できてよかったです。ありがとうございました。非常に大人数の会をお世話してくださった幹事さんにも感謝です。

嬉しかったのは、 「ずっとお会いしたかったんです!」という方にお会いできたこと。共訳したことがあるのに一度もお会いしていなかった翻訳者さんや、ツイッターでは1年以上やりとりしていながら会うのは今回初めてという翻訳者さんなど。やはり同業の方との話は刺激になりますし、心強いです。

この会では、「翻訳者と編集者 おすすめのノンフィクション」ベスト3の発表もありました。お正月の読書にぜひ。

1位


2位は2冊。


(↓私の先生の本です)


3位



2012年10月9日火曜日

雨上がりの森で

 連休に、国立にある矢川緑地に行ってきました。
雨上がりだったので、植物がみずみずしかったです。



ミゾソバ。水辺に咲きます。
(もっとアップで撮りたかったのですが)



蒲の穂って、チョコレートっぽい。
















カラスウリ(烏瓜)のまだ青い実。
5センチくらい。キュート。


矢川緑地は森と湿地の両方があって、季節ごとにいろいろな植物が楽しめるので、
時々行きます。

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このところ、散歩+植物という話ばかりですね。

人混みが苦手なので、繁華街に行くのは用事があるときだけ。できればのどかなところで遊んでいたい。なので、都会ネタはなかなかありません。

そんなわけで、これからも多分こんな話が続きます。



2012年10月6日土曜日

眠れない脳






















秋は空が賑やかです。


栗がまるい。

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 仕事が一段落ついて、夜がよく眠れるようになりました。

 締め切り直前は、いざ寝ようと思っても眠れない、ということが多かったんです。一日中、翻訳をし続けて、頭がオーバーヒート状態だったんでしょうね。寝てからも、喋りまくっている夢や、翻訳をしている夢が多くて疲れました。言語中枢が寝てくれなかったんでしょうか。

 そんな中で、最近読んだ本。前から気になっていたのですが、文庫化されたのをきっかけに。
 



  脳科学者でもあるこの本の著者は、脳卒中になり、左脳が機能を停止していく脳の様子を内側から見ることになります。その時の様子は、この本でも描かれていますが、TEDでのプレゼンテーションがとても印象的です。(NHKの「スーパープレゼンテーション」でやっていました)。





 「脳科学」という知識としてではなく、「自分の感覚」としての脳の話で、とても分かりやすく感じました。
 

2012年10月3日水曜日

台風一過

仕事が一段落したので、台風一過、ちょっと電車に乗ってでかけてきました。



コスモスの季節です。



















台風で樹齢400年以上の山桜が倒れてしまいました。
もともと弱っていたようです。























稲架(はざ)。台風の時はどうしていたんだろう。





















夜は居酒屋で。サンマ。

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今回の仕事は難しくて大変でした。もっと余裕を持って仕事をしなければ。
次の仕事にまた頑張ります。


2012年9月10日月曜日

夏の思い出

半年近く更新してませんでした。そしてこの小学生のようなタイトル・・・。反省。

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このところは書籍の翻訳にかかりきり。締め切り間際になっていろいろと反省するのはいつものこと・・・。

「もっとこの分野の本を読んでおけば良かった」とか、「もう少し前倒しで進めておけば良かった」とか。いつになったら学習するのかと、がっかりしてしまいますが、くよくよしても仕事が進むわけではないのです!

新しい部屋ですが、風通しが良いのと、最上階ではないので屋根が熱くならないせいもあって(それとエアコンのおかげで)、去年までより涼しく過ごせました。

昨夏までは、夜になっても部屋の温度が下がらず、壁や天井がいつまでも熱いままで、まるでオーブンの余熱の中にいるみたいでした。そういう建物の条件だけで、ずいぶん室温が変わります。

快適になった環境で、仕事に追われたり、そこから逃避したりしていた夏ですが、短い休みも取りました。

毎年行く、伊豆の海。民宿の窓から。ひたすらシュノーケリングして、イワシの大群に遭遇したり、泳ぎながら土砂降りにあったり。



電車の窓から見た、海上の竜巻。初めて見たので興奮しました。ぼんやり写っているのは伊豆七島の利島。

最近、旅では写真を撮らずにのんびりしているので、写真はこれだけ。

海も空も、予想がつかないところがすばらしい。

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最近読んだ本


暦、天文、数学そのあたりが好き人は面白いかと。
といっても、専門的すぎるわけではないので、軽い感じでも十分読めます。
青春時代科学小説、といった感じ。私はかなり面白く読みました。

本格時代劇が好きな人がどう思うかはわかりません。
あと、岡田准一君に「江戸時代の囲碁の名人で数学と天文の専門家」が
合うのかも少々疑問。

2012年4月26日木曜日

年上の部屋

3月に住居兼仕事場を引っ越しました。たった400mの近場の引っ越しでしたが、手間は同じ。おかげで身軽になりました。広さは今までの2倍弱、日当たりも良い部屋で、やはり一日仕事をしている場所の環境は大事なんだなあと実感します。

それだけ良くなって、家賃がそれほど変わらなかったのは、契約上の条件もあるのですが、なんといっても古い団地だということ。築年数が私よりも年上なのです。内装はリフォーム済みで住むには全く問題なし。共用スペースや、水回りに微妙に残る団地らしさがむしろ新鮮です。


浴室の窓。おそらく建築当時からのもの。

浴室天井にある配管。
工場萌えだけでなく団地萌えというのでしょうか、こんなページもあるんですね。そんな目で見ると、上の写真の浴室の窓とか配管はなかなか雰囲気があって、湯船の中からのんびり見上げたりするのもいいものです。そういう意味では、もう少し古い部分が残っていても良かったかもしれませんが、リフォームなしでも住もうと思ったかというと、その自信もないのです。

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 おまけ。窓はこんなふうに開きます。

2012年2月27日月曜日

なじみの川辺

風はまだ冷たいですが、川は春です。


 枯草の下から、若緑の草が萌え出てきました。


 泥の上には、鴨のものらしき足跡(みずかき跡?)がたくさん。

 今の部屋から川までは1分。新しい部屋は、川から遠ざかる方向に400mの場所で、この川辺もまだまだ散歩圏内。すっかりなじんだこの川辺からは離れたくなかったので、近所で新しい部屋が見つかって本当に良かったと思います。

2012年2月25日土曜日

フリーランサー、審査される

ワタシも引越しです。

 3月に引っ越すことになりました。

 しばらく前から、日当たりの良い部屋に移りたいとおもって、近所の団地(全戸南向き)を狙ってました。良い部屋が見つかったのが2月始め。内見して、2日だけ考えて、決めました。ずっといろいろ探していたのに、決まるときはあっという間です。そういうものですね。

 引越しは、旅行みたい。いろいろ目的地を探して、日程をあれこれ立てているときがかなり楽しい。「この部屋に住む!」と決めてからは、家具の配置(特に仕事場の)をあれこれ考えるのが楽しくて、夜寝ようとしても間取り図が頭に浮かんでしまって眠れないほど。

 ただ、いざ契約となるとちょっとした問題が。サラリーマンの時は形式的だった「審査」が、個人事業主になると厳しくなるんです。収入証明(確定申告書)を出した年がたまたま収入の少ない年で、問題発生。通常の連帯保証人ではなく、保証会社を利用するなら、と言う条件つきで認めてもらいました。同時に進めてもらっていた家賃値下げ交渉がうまくいったため、保証会社の費用は値下げ分で相殺できたので良かったのですが。

 改めて、サラリーマンの社会的信用の大きさを実感しました。フリーランスの場合は定期的な収入よりも、きちんとした仕事の実績という「信用」を認めてくれるといいんですけどね。会社だって無くなる時代、フリーランス=不安定、という図式はなりたたないし。

 逆に、収入のとても多いフリーランスの人が不動産を借りようとするとどうなるのか。サラリーマンより稼いでいても、「定期的な収入」がないとだめなのかどうか。 (ばーんと稼いで自分でためしてみれたらいいんですけどね、はは・・。)

 そんなことで半日ほど憂鬱でしたが、無事部屋も契約できたのですっきりです。がんばって働かなくてはね。

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余談。この件をめぐる、友人との会話。

わたし「1億円持ってても、定期収入がゼロだったら、部屋を貸してくれないのかな!」
友人 「…ていうか、1億あったら家買うってば」

自分が不動産を買うことは一生ないような気がしてきました。

2012年1月2日月曜日

迎春


みなさんの2012年がいい年になりますように。

 すっかり間隔が空いてしまったこのブログ。今年こそ!と誓うのも、もはや恒例なのですが。Facebook(FB)やTwitterもある中で(どちらもやってますが)ブログをやる意味を考えてみると、少しまとまった形で自分の身の回りのことを記録して、それを伝えたい、ということかなと思います。

 ひとりで仕事をしていると、どうしてもぼんやりと日々を過ごしてしまいがちです。昨年を振り返ってみると、もっと毎日の時間を大切にできたのではないかと悔やむばかりです。

 一方で、フリーランスになって5年目になり、少しずつ仕事の方向性も出てきました。そんな近況などもすこしずつ報告していきたいです。
  
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 年末年始は札幌の実家にいます。実家にいると、なぜか時間が過ぎるのがゆっくり。家族につられて早起きになるから、一日が長いのでしょうか。今年初めて、箱根駅伝のスタートを見ました。東洋大の柏原くんはやはりすごかったですね。

 家族は魚介類が大好きなので、帰省すると魚づくしです。

 オホーツク産?の牡蠣。小さめだけど美味でした。蒸して食べました。

 仕事は持って帰らない!と家族に宣言してあったのですが、確定申告の準備や、ちょっとした仕事はしています。まったく仕事をしない、というのはどうにも不安です。

2011年9月28日水曜日

浜離宮へ

 先日、浜離宮恩賜庭園に行きました。かつては徳川家の庭園だっただけあって、広い。

 

 ただこの日はあいにくの天気。コスモスの向こうの東京タワーもぼんやり。

 雨が降ってきたので、新橋へ撤退。



 新橋駅前にある、烏森神社。ビルの合間にしっかり収まってます。周りの狭い路地は、古くからありそうな飲み屋街。

 新橋といえば、さいごはやはりこうなります。



 チューハイ100円。さすが新橋です。

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最近の読書。本棚から引っぱり出してきました。



 今から15年近く前に読んだ本。ストーリーを忘れていたので、もう一度どきどきしながら読みました。気持ちの良い少年冒険SF。

2011年9月26日月曜日

カメをめぐる夢

 あちこちでやたらと話しているのですが(ブログにも書いた気が)、私の仕事場(自宅でもありますが)にはカメがいます。独立してすぐに来たので、仕事仲間のような存在です。リラックス担当でしょうか。

 夏はベランダで過ごしていたカメも、室内に帰ってきました。


 春と秋用のカメ用スペース。この配置になるまで、かなりの試行錯誤がありました。右の白いケースが水のある部分で、左が陸地コーナー。巻いたタオルをスロープ代わりに置いてあるので、勝手に出入りできるようになっています。


 ここ数日は涼しいので、水の中でぼんやりしていますが(後ろ足が伸びてるのはリラックスのしるしらしい・・)、私がちょっと動いたりすると、ちらっと視線を送ってきます。
 
 外側の大きいケースに出入り口をつけて、自分で部屋の中まで出てこられるようにしたいんですけど・・・工作がまったくできないので、無理です。

 カメをめぐって、ひとつ夢があります。次の動画をどうぞ(注意:音楽が鳴ります)。


 カメはなぜか、ネコが大好きみたいなんです。ネコもちょっとやり返したりして遊んでいる雰囲気なんですが、基本的にカメがとてもしつこい。YouTubeで「カメ ネコ」で検索すると、カメがネコにちょっかいをかけている動画がたくさん出てきます。

 いつかネコを飼って、こんなふうにカメとネコがのどかにたわむれる仕事場にするのが夢です・・・。

2011年9月24日土曜日

近況報告

「『毎日ブログ書く』とかいうひとに限って三日坊主なんだよ」という意味のことを友人に言われたので、「じゃ、1ヶ月がんばる!」と宣言した負けず嫌いですが、1ヶ月の後が続きませんでした。

 夏をまるまるスキップしてしまいましたが、元気にしています。

 仕事の方は、春から初夏にかけてはちょっと寂しい状況でしたが、8月過ぎからなぜかばたばたといくつもオファーをいただきました。来年まで予定が決まっているという、初めての状況。同時に、久しぶりの友人と会う機会なども急に増えたので、きっと「運気急上昇」的な時期だったに違いありません。

 基本的にはサボりがちののんびり翻訳者なので、この先はばりばりとがんばらねば・・。

 TwitterやFacebookなどでは宣伝してましたが、この前の冬から春にかけてしていたお仕事が、ほぼ同時に刊行になりました。共訳が1つ、単独訳が1つです。





 個人的には、弓道2段になりました。これも、なかなか審査を受けなかったせいで、同時に入門した人たちからは周回遅れくらい。こっちもがんばります。

2011年7月5日火曜日

「ソーラーシステムを設置する」

 たまには(翻訳者らしく)言葉の話。

 テレ朝の「Qさま!」が好きなんですが、今日見てたら、「次の言葉から和製英語を選べ」というクイズがありました。

 「フロントグラス」(英語では"Windshield")とか、「カンニング」("Cheating")といった選択肢の中に、「ソーラーシステム」という選択肢が。

 最近話題の「ソーラーシステム」は、確かに和製英語。英訳すれば「solar heating system(panels)」だろうなぁ(番組内では別の言葉でしたが忘れてしまいました)などと考えながら見ていて、ふと気づきました。「ソーラーシステム」をそのまま英語として使ってしまうと、大変な(そして面白い)ことになるのです。

I installed a SOLAR SYSTEM on my roof.
 → 自宅の屋根に太陽系を1つ設置しました。

 天文学的スケールの家ですか・・・。

 面白くなって、Googleで調べたら社団法人ソーラーシステム振興協会という団体が見つかったのですが、この英語名称が「Solar System Development Association」。これを日本語に戻すと「太陽系開発協会」。一気にNASAレベルの話になってきました。

 翻訳者としては、おかしくも、すこしひやっとします・・。

2011年7月2日土曜日

節電?

 7月になりました。もう1年を折り返してしまった。早いですね。

 節電節電と聞こえてきますが、もともとエアコンが苦手なので、ほとんど扇風機だけでがんばっているので、何をどう節電していいか・・・という感じです。

 とはいえ、ここ数日急に暑くなって、昼間の時間はエアコンの誘惑にかられるので、思い切って「遊牧仕事」に出ることにしました。家にいないのが節電になる気もします。

 昨日行ったマクドナルドも、今日行った近所の図書館も、確かに去年よりは冷房を控え気味でしたが、家に比べればずっと涼しい。長くいるにはちょうどいいくらいです。同じように暑さを避けてきている人が多いかと思ったら、そうでもなく。今年の夏は、こうやって外で仕事をしようかと思います。

 それにしても、テレビで地下鉄の冷房を数時間止める、というのをやっていましたが、大丈夫なのでしょうか。

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 7月は、いまのところ大きな仕事がないので、パソコンのメンテナンスと、いらない資料の片付けをするのが目標。使っていたノートパソコンのデフラグとかをしたら、いきなり動きが軽くなりました。4年間、一度もしていなかったのが良くなかったのか…。仕事道具のメンテナンスも仕事のうちですね。反省。

2011年6月27日月曜日

東京タワーに驚く

 梅雨の東京を離れて、北海道にいます。涼しくて、夜は窓を開けていられません。暑い夏に向けて、今この涼しさを味わっておくのがいいのか悪いのか、分かりませんが。実家で充電(放電?)しています。 

 空港までのリムジンバスから見えた東京タワー。

よく見ると、アンテナの先が曲がっています。

 3/11の地震で先端のアンテナ部分が曲がった後、作業員さんがよじ登って直したらしいのですが、まだ曲がったまま。問題はないそうですが、肉眼ではっきり分かるくらいなので、びっくりしました。

 この日の東北地方上空は、梅雨前線の影響で雲が多く、地上をみることはできませんでした。もちろん、飛行機の窓からは何も分からないと思いますが。帰りは少しでも海岸部が見えたらと思います。

2011年6月23日木曜日

夏至というものは

 6月22日は夏至。暦の上では夏を折り返し、遠くの冬に向かって進み始める日。といっても、東京は、今年初めての真夏日。やっと真夏のスタートにたったばかり。

 夏至は、夏が短く冬の長い北欧では特別なお祝いの日のようだ。そのせいか、「夏至」という言葉には、少し西洋の響きがする。逆に言うと、日本の季節の中ではぴんと来ない日だ。冬至はゆず湯に入るとか、南瓜を食べるとかあるけれど、日本の夏至には(知る限り)何の風習もない。

 「夏至」はもちろん夏の季語だけれど、その季節感の薄さには、俳人たちも手こずっているようだ。高浜虚子をしてこのゆるさ。  
 
夏至今日と思ひつつ書を閉ぢにけり

本を読みながら、「今日は夏至だったなあ」とちょっと思った、ということだろうか。この実感のなさが、実感なのかもしれない。(詩人の清水哲男さんによる解説や、そのほかの夏至の句はこちら

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 雨の翌日などは、苔がきれいな季節です。

 苔って、一度気になり始めると、至るところにあるんですよね。よく見ると、少しずつ種類が違うようだし、生える場所にも好き嫌いがあるらしい。同じ場所なのに、苔がたくさん生えている石と、そうではない石があると、どういう好みがあるのかとても気になります。

 苔の名前も覚えたい。

2011年6月21日火曜日

「獏さんがゆく」

 ひとに勧められて読みました。


 詩人の茨木のり子さんによる、沖縄出身の詩人山之口貘の評伝を、詩とともに収めた本。

 この本の扉に書かれた次の一文が印象的です。

生涯、貧乏神をふりはらうことができず、借金にせめたてられながらも心はいつも王さまのようにゆうゆうと生きぬいた愛すべき詩人。


 貧乏ながら「精神の貴族」といわれ、人々に愛された詩人の姿が浮かび上がります。彼と出会った人々の間では、彼の記憶が物語のように語られ、伝えられていったようです。この本の童話風の文からもそのことがわかります。

 一番印象に残ったのはこの詩。

博学と無学

あれを読んだか
これを読んだかと
さんざん無学にされてしまった揚句
ぼくはその人にいった
しかしヴァレリーさんでも
ぼくのなんぞ
読んでいない筈だ
 

 誰にでもわかる言い方で、心をぐらりとさせるようなことを言う。どの詩にもそんな印象があります。主義や主張ではなく、自分の言葉でできている。

 詩集も読んでみたいと思います。
 
 山之口貘さんの詩に、フォークシンガーの高田渡さんが曲をつけて歌っています。

好きなうたです。
(動画中のクレジットでは作詞作曲:高田渡となっていますが、作詞:山之口貘です)

2011年6月20日月曜日

リアルさを追究・・・

 想像するに、「ゾウの滑り台を作ってください」という発注があって、できあがってみたらこうなったのではないかと。確かに、ゾウの滑り台ということで間違いはないですが。

 ゾウがリアルすぎます。モデルはアジアゾウかと思われます。(耳の大きさなどから)

足の曲げ具合とか、限りなく本物に近づけようという努力が感じられます。

 「ゾウの滑り台」で、ふつうはもっとかわいらしくてキャラクターっぽいものを作りそうなもの。そんな先入観など吹き飛びました。ただここまでゾウのリアルさを追究するなら、滑り台である必要すらないような気もするのですが。

 ちなみに、場所は北区飛鳥山公園。JR王子駅からも見える、桜と紫陽花が有名な公園です。

2011年6月19日日曜日

「ビューティフル・マインド」

 これもまた今頃になってですが、DVDで「ビューティフル・マインド」観ました。

 ノーベル経済学賞を受賞した数学者、ジョン・ナッシュの半生を描いた映画。

 ラッセル・クロウ(ジョン・ナッシュ)も、ジェニファー・コネリー(奥さんのアリシア役)も良かった。ラッセル・クロウは、特に最後の「老数学者」の姿がすごくはまっていたし、アリシアの愛情と苦悩も迫ってくるものがあった。ルームメイトのチャールズも妙な存在感。

 ただ、お話としてはとおりいっぺんというか。もっと数学そのもの魅力とか、美しさとか伝わってくれば良かったのに。数学関係の仕事の参考になるかと思って借りたのだけど、そういう意味では参考にならなかった・・・。 

 ジョン・ナッシュについて、ノンフィクション的な映像作品か本があったら、そっちを観てみたいなと思った。

 amazon風にいえば、★★★☆☆でしょうか。